今日は,弁護士向け交通事故損害賠償実務研修に参加しました。
今日のテーマは高齢者や未成年者の交通事故,高次脳機能障害の基礎でした。
13時から始まり17時ころまで行われました。
高齢者,未成年者の交通事故では,特有の問題がいろいろ生じますので,それを
踏まえた対応が必要となります。
厳密に言えば,交通事故に限らず高齢者,未成年者の損害賠償全般に関わる
ものも多くありますので,交通事故以外でも注意をしなければならない点が多々
あります。
交通事故の賠償に関しては,民法上の請求と自賠法上の請求があります。
両者は微妙に異なっているため,自賠法上の請求であれば認められるが民法
上の請求では認められないというものもありますし,逆に民法上の請求であれば
認められるが自賠法上の請求では認められないというものもあります。
この辺りを意識しておかないと,請求の仕方の問題で請求が認められないという
事態も生じかねません。
また,新しい裁判例なども出ていますので,日々,情報をアップデートしていな
ければ適切な対応ができない可能性もあります。
高齢者,未成年者の事故に関する判決として最近出されたものにJR東海事件
とサッカーボール事件があります。
JR東海事件は監督義務者が誰かという点に関する判例であり,サッカーボール
事件は監督義務者の免責事由に関する判例です。
これらの判例を意識して対応することで責任が認められたり認められなかったり
する可能性があります。
さらにいえば,情報を収集するだけでは足りず,これらを実際の案件でどのように
活用するかも考えなければなりません。
研修に参加することで,活用方法のヒントを得られることもありますし,それにまつ
わる周辺情報も得られる可能性があります。
研修に参加するためにはまとまった時間を割かなければなりませんが,いろいろ
得られるものがあり,有益だと思います。