カルロス・ゴーン氏の保釈が取り消されたようです。
もともと,保釈条件に海外渡航禁止が含まれていたようですので,出国して海外に
いると聞いた時点で,保釈は取り消されるだろうと思っていましたが,そのとおり
になりました。
パスポートは弁護人が管理していたはずですので,どのようにして出国したのか不
明ですが,海外に行ってしまったことは事実のようですので,保釈条件に違反した
として保釈の取り消しはやむを得ないものと思います。
今後,どのようにして出国したかなどが明らかにされると思います。
弁護士としては,今後,刑事事件において,保釈の条件が厳しくなったり,保釈が
認められにくくなったりするのではないかという点が心配です。
検察側は,当然,今後保釈をできるだけ認めるべきではないという主張をすると思
いますし,裁判所も当面保釈についてこれまでよりもより慎重に,かつ消極的に検
討すると思われます。
そうすると,これまでは保釈が認められていたものについて保釈が認められにくく
なるでしょうし,保釈が認められるとしてもその条件が厳しくなると思われます。
慎重に判断すること自体は必要なことだと思いますが,過度に抑制的な判断がされ
なければよいと思います。
今後の,裁判所の保釈に関する動向を注視しなければなりません。