精神疾患を抱えた人が、その精神疾患を原因として事件を起こしてしまった場合、医療観察制度という制度が利用されることがあります。
最終的に必要と判断されれば、入院または通院の決定が出されます。
この制度に基づく治療を行う機関として、指定入院医療機関があります。
東京都内の指定入院医療機関としては、国立精神・神経医療研究センター病院や、都立松沢病院があります。
指定入院医療機関に入院中は、状態に合わせた治療が行われます。
治療過程は、急性期の治療、回復期の治療、社会復帰期の治療などに分かれます。
どのように治療していくかについては、病院の担当チームや家族、社会復帰調整官等を交え、CPA会議と呼ばれる会議等で決められます。
状態が回復するまでの期間は個人差があるため、一概には言えませんが、1年以上かかることも多くあります。
入院治療中は、6か月ごとに裁判所が退院か入院継続かを判断します。
退院できる状態になっていると、裁判所の許可により退院となりますが、その後も、原則3年間の通院による治療継続が予定されています。
退院後の社会生活については、社会復帰調整官とも相談して決められます。
通院治療の状態を踏まえて、裁判所が最終的に処遇終了決定をすると、治療が終了します。