精神的な不調を訴える従業員が最近増えてきているといわれています。
精神的な不調により欠勤していると認められる従業員を解雇する場合,
通常の解雇と同様に出勤を促すことも必要ですが,
まずは,精神科医による健康診断を受けさせるべきでしょう。
そのような手続を経ていない場合には,解雇無効と判断される可能性があります。
裁判所も,会社は,「精神科医による健康診断を実施するなどした上で,その診断結果に応じて,
必要な場合は治療を勧めた上で休職等の処分を検討し,その後の経過を見るなどの対応を採るべき」
とし,この過程を経ずに行われた解雇について無効と判断したことがあります。
今後は,精神的不調を抱える従業員への対応が会社の課題となるかもしれません。
弁護士も,そのような会社の相談に対し適切なアドバイスができるようにしておく必要があると思います。