交通事故は,人身事故と物件事故の二つに区別されます。
人身事故の場合と物件事故の場合では,作成される刑事記録の内容に
違いが出ます。
人身事故の場合には,事故現場の図や事故状況図が詳細に作成されます。
これに対し,物件事故の場合には,図の作成がされなかったり,作成されたと
しても,簡略な図しか作成されなかったりします。
過失割合に争いが生じる場合には,事故がどのように発生したか,当時の
相互の行動がどのようになっていたか等が,結論を決めるうえで重要となります。
これを証明するための刑事記録が重要になります。
簡略な図しか作成されていないと,当時の状況についての証明力が弱く,
結果として,事故状況を証明しきれないということが起こります。
あまりに時間が経ち過ぎていると,人身事故への切り替えができず,弁護士としても,
もどかしい思いをすることがあります。
安易に物件事故扱いとすることは,避けたほうがよいでしょう。