先日、弁護士向けの、行為依存とその治療に関する研修を受講しました。
この研修は、刑事事件に関するものです。
刑事事件というと、無罪を争うことをイメージする人もいるかもしれま
せんが、多くの刑事事件は、やったことは認めており、それに対する刑
罰の重さを決めることが主として問題となっています。
行為依存とその治療は、有罪か無罪かを判断するような事件でも必要と
なるものといえます。
ただ、どちらかといえば、やったことは認めたうえで、刑罰の重さを決
める場面や、それを超えて、次に同じことをしないようにするためにど
うしたらよいかという場面で必要となるものだと思います。
行為依存の一つの例として窃盗症があります。
窃盗症は、個人用に用いるためでもなく、またはその金銭的価値のため
でもなく、物を盗もうとする衝動に抵抗できなくなることが繰り返され
てしまうものです。
この場合、本人を処罰しても結局物を盗もうとする衝動に抵抗できなく
なり、また窃盗を繰り返してしまうということがおこります。
そのような場合には、本人をいくら処罰しても効果がなく、むしろ、治
療を行うことで窃盗を繰り返してしまうことを防止できることがありま
す。
行為依存の治療方法にはいくつかの考え方があります。
うまく治療できて、窃盗を繰り返してしまうことが防止できれば、本人
のためにも社会のためにも有益だと思います。