日別アーカイブ: 2016年6月30日

会社経営者と休業損害

会社の経営者の方も事故にあうことはあります。

 

会社の経営者の方が事故にあった場合,休業損害が認められるか,という

問題が生じることがあります。

 

一般に,会社の経営者の方は,役員報酬を受け取っており,休業してもしな

くても収入が減少しないため,休業損害は認められないことが多いです。

加害者側保険会社からも否定され,それを理由として弁護士に相談に来られる

方も多くいます。

実際には,会社の経営者の多くは,自分が休業しなければならなくなった場合,

自分の収入をそのまま会社に対する貸付として計上し,会社に現金を戻して

自分では事実上報酬を受け取らないことがかなりあります。

そうすると,実質的には収入減少があるため,会社の経営者の方にも休業

損害が認められてもよいように思います。

 

しかし,会社に対する貸付は,いずれは返してもらえるものという扱いである

ため,裁判所はほとんど休業損害を認めません。

いろいろチャレンジしてはみますが,形式上,損害が生じていないため,これを

認めさせるのは極めて難しいと感じます。