月別アーカイブ: 2017年 11月

国選弁護

今週は,多摩地区の国選当番弁護待機日でした。

 

八王子警察署での案件が配点され,当番弁護に行ってきました。

八王子警察署までは,東京駅からだとかなり遠く,時間帯によっては,

立川駅等で乗り換えが必要です。

時間も往復3時間から4時間程度は優にかかります。

 

接見の時間や待ち時間等も入れると5時間から6時間程度は予定をして

おかなければなりません。

 

当番弁護で接見をした場合,刑事被疑者援助制度を利用して依頼を受ける

ことができます。

被疑者援助制度は,身柄拘束されている場合に利用できます。

対象となるのは,被疑者国選対象外事件と被疑者国選の対象事件のうち

勾留される前の事件です。

 

東京弁護士会では,援助制度の利用を推奨していますので,できる限り,

援助制度を利用して活動するようにしています。

 

被疑者国選対象事件で,勾留前のものについて援助制度を利用すると,

援助制度の利用申込書を援助センターに送り,弁護人選任届を検察庁に

提出しなければなりません。

その後,勾留されると,援助制度は利用できなくなりますので,検察庁に

辞任届を提出し,そのコピーと被疑者本人の資力申告書と共に裁判所に

提出します。

さらに,国選弁護人の選任に関する要望書を法テラスに送ります。

要望書のコピーを裁判所に渡しておくと手続きがスムーズに進みそうです。

 

その間に,接見等,被疑者のための活動も行わなければなりませんので,

スケジュールはかなりタイトです。

 

特に,東京にいながら多摩地区の国選弁護に対応するとなると,書類の

提出先の検察庁や裁判所も立川支部になりますので,ほぼこの事件にかかり

きりのようになります。

 

多摩地区の当番弁護の待機日とその後数日は,予定をあけておかなければ

なりません。

 

 

倫理研修

今日は,倫理研修がありました。

倫理研修は,弁護士として守るべき倫理について研修をする場です。

倫理研修は,弁護士会で行われており,弁護士は,全員,定期的に受講

しなければなりません。

 

今日の倫理研修は,13時から17時までの4時間にわたり行われました。

事前に課題が配布されていましたので,内容を検討して臨みました。

課題自体はそれほど多くなく,予定時間よりも早めに終わるのではないかと

予想していましたが,実際には,17時ぎりぎりまで行われました。

 

前半2時間は,様々な項目についての解説が行われ,後半2時間はグループ

ごとに分かれ,事前に与えられた課題を基に意見交換等を行いました。

 

弁護士倫理については,解説弁護士職務基本規程が発行されており,普段

何か迷うことがあれば,まずこれで確認をします。

今回の課題の多くは,解説弁護士職務基本規程に解説が載っているものが多く,

解説弁護士職務基本規程を確認することでおおむね回答できました。

しかし,一部は解説弁護士職務基本規程に載っておらず,それについては,

各自で検討・判断しなければなりませんでした。

 

各自で検討・判断しなければならないものは,かなり微妙な判断を要するものが

多く,事前の検討段階でもかなり迷いました。

実際,当日,意見交換等をした際にも,意見が分かれるものがあり,なかなか

判断が難しいなと感じました。

 

自分が課題の状況におかれた際に,倫理違反に問われないよう行動するのは

難しい場合があると思います。

そういった場合には,自分だけで判断せず,他の弁護士の意見も聞くなどして,

かなり慎重に行動・判断しなければならないと感じました。

平成29年11月

今日から11月ですね。

 

少し前からかなり気温が下がって寒くなってきました。

東京都内でもコートを着ている人が多くなってきています。

 

 

今月は,司法修習生が修習を終えるための試験である通称2回試験があります。

2回試験は特殊な試験であり,1番の特徴は,パンチ穴のあいた解答用紙を,配布

された紐でつづらなければならないという点です。

今年もそうかはわかりませんが,紐でつづれていないというだけで不合格になる,

厳しい(おそろしい)試験です。

 

毎年,紐に関して事前に注意喚起がされるのですが,それでも毎年のように紐で

つづれずに不合格となる人が出ていると聞いています。

今年もその制度があるのであれば,司法修習生にはぜひとも気を付けていただき

たいですね。

 

ただし,紐を気にしすぎて回答がおろそかになってしまうと不合格になってしまう

可能性があります。

そうなってしまっては意味がありませんので,紐は気にしすぎない程度に気にして

回答に集中していただきたいです。

 

私が試験を受けた時には,配布された解答用紙を試験開始後すぐにすべて紐でつづって

しまうのがよいと教わりました。

回答が終わってから紐でつづろうとすると,焦ってうまく紐でつづれなくなって

しまうことがあるそうなので,予め紐でつづってしまうのが良いのだそうです。

 

今年は,紐でつづれないというだけで不合格になる人がいないといいですね。

 

2回試験は,5日間にわたって行われる,非常にハードな試験です。

その間の体調管理も重要です。

試験でしっかりと実力を発揮するために,日ごろから体調管理に気を付けなければなりません。

 

遠方から通っている人は,近くのホテルに宿泊して試験を受ける人もいます。

私も,近くのホテルをとって試験に臨んだ記憶があります。

どうしても遠方から通っていると,電車の遅延等により試験開始時刻に間に合わず,

それによって不合格となってしまうリスクがあります。

近くのホテルは早めに予約しておかないと,いっぱいになってしまうと聞きましたので,

早めに予約しておくことが重要です。

 

万が一2回試験に不合格となってしまうと,翌年,再度2回試験を受けなければなりません。

2回試験は,1年に1回しかありませんので,1年間,法曹になるのが遅れてしまいます。

法律事務所に就職する予定の人は,内定が取り消されてしまうことが多いと聞いています

ので,その影響は非常に大きいです。

 

2回試験に不合格になる人は,必ずしも司法修習中の成績が悪かった人とは限らないようです。

成績の良かった人が不合格になることも多いようです。

そのため,2回試験に不合格となるかどうかは,くじ引きみたいなものだと言われていました。

ただ,しっかりと勉強しておかなければ回答できませんので,それでも勉強しておく必要は

あります。

 

不合格になったときのことはあまり考えず,集中して試験に臨んでいただきたいです。