遺産分割事件は、弁護士が関与する事件のうち比較的件数の多いものだと思います。
ただ、相続事件は、しっかりと対応しようとするとかなり難しいものだと思います。
その理由は、遺産分割においては、税金のことと登記のことを考慮しなければなら
ない場合があるからです。
本来であれば適用されたはずの特例が適用されない分割合意をしてしまったり、登
記申請ができない分割合意をしてしまったりというケースが見られます。
そもそも多くの弁護士は、法的な紛争を解決することについては得意としています
が、税金や登記については門外漢であり、あまり詳しくないように思います。
そのため、税金や登記については考慮せず、多くの場合、税金のことは税理士さん
に、登記のことは司法書士さんに聞いてくださいなどとアドバイスしているように
見えます。
それ自体は悪いことではありませんが、弁護士、税理士、司法書士にそれぞれ相談
するというのはかなり負担になると思います。
法律、税務、登記に詳しい弁護士に相談することができれば、それらの相談を一度
にできてしまうので、相談者の負担はかなり軽減されると思います。
また、情報共有が不十分であるなどしていずれかがうまくいかなくなるという事態
も少なくなると思います。
法律、税務、登記に詳しい弁護士、又は税理士、司法書士と緊密に連携できている
弁護士に相談することのメリットを多くの方に知ってもらえるといいなと思います。