精神障害での労災申請の相談を受けることもあります。
精神障害はその発病が仕事による強いストレスによるものと判断できる場合に労災
認定されます。
精神障害での労災認定の要件は、①認定基準の対象となる精神障害を発病している
こと、②認定基準の対象となる精神障害の発病前おおむね6か月の間に、業務によ
る強い心理的負荷が認められること、③業務以外の心理的負荷や個体側要因により
発病したとは認められないこととされています。
そうしますと、仮に仕事によるストレスが強かったとしても、仕事以外でのストレ
スも強い場合やもともと精神症状を抱えていた場合などは労災認定されない可能性
があることになります。
心理的負荷の程度は、心理的負荷評価表に従って判断され、そこで心理的負荷の程
度が「強」に該当するとされると、業務による強い心理的負荷が認められることに
なります。
うつ病により労災が認定されるものの一つには、長期間にわたる長時間労働があり
ますが、発病直前3週間でおおむね120時間以上の残業をした場合や、発病直前
3か月間連続して1か月あたりおおむね100時間以上の残業をした場合などは、
心理的負荷の程度が「強」と判断されます。
もちろん、他の要件もありますので、上記の長時間労働があれば必ず労災認定さ
れるわけでもありませんし、上記の時間に満たない場合が全て労災認定されない
わけでもありません。
精神障害での労災認定を検討されている方は、弁護士に要件を充たすかどうか等
を相談してみるとよいと思います。