弁護士登録をしている国会議員も少なくありませんが、国会議員には、不逮捕特権と呼ばれる権利があります。
不逮捕特権とは、憲法50条に規定されています。
憲法50条は、「両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。」としています。
これは、三権分立の考え方からくるもので、行政権や司法権が、立法権を侵害することを回避するために定められているようです。
国会議員であれば逮捕されないと思われている方もいるかもしれませんが、そうではありません。
「国会の会期中」とあるとおり、不逮捕特権は、「国会の会期中」に限られています。
また、「法律の定める場合を除いては」とあるとおり、法律の規定により、会期中であっても逮捕される場合があります。
国会法33条で、「各議院の議員は、院外における現行犯罪の場合を除いては、会期中その院の許諾がなければ逮捕されない。」としているのが「法律の定める場合」にあたります。
そのため、院外での現行犯逮捕の場合や院の許諾がある場合には、会期中であっても逮捕されることがあるのです。
現職の国会議員が逮捕されることはそれほどあることではありません。
その理由の一つは、不逮捕特権にあるといってよいと思います。