2020年

新年あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。

 

2019年が終了し,2020年が始まりました。

今年は,東京オリンピックがありますので,非常に楽しみです。

ただ,東京で仕事をする身としては,公共交通機関に遅れや混雑が生じることで,

仕事にどのような影響が出るのか,という点が心配です。

台風で電車が動かない時などは,裁判も中止されたり大幅に遅れたりすることが

ありますので,東京オリンピックにより,同様の事態が生じないとも限らないな

と思ってはいます。

おそらく,いろいろな対応が検討されているため,実際にはさして影響が出ない

ということもあり得ると思っていますが。

 

今年は,4月から改正民法が施行されるなど,法改正に伴う影響がいろいろ出て

くることが予想されます。

当面,新法を前提とした裁判例がでてくると思われますので,その内容に注意し

なければなりません。

実際の社会にどのような影響がどの程度出てくるかは,現段階では分かりません

ので,今後の動向に注目です。

 

交通事故,相続,債務整理,離婚など,それぞれの分野により影響の程度も問題

点も異なると思います。

事務所内でのそれぞれの分野ごとの勉強会,全体の勉強会で情報共有を図り,漏

れのないようにしていきたいと思います。

保釈取消

カルロス・ゴーン氏の保釈が取り消されたようです。

 

もともと,保釈条件に海外渡航禁止が含まれていたようですので,出国して海外に

いると聞いた時点で,保釈は取り消されるだろうと思っていましたが,そのとおり

になりました。

パスポートは弁護人が管理していたはずですので,どのようにして出国したのか不

明ですが,海外に行ってしまったことは事実のようですので,保釈条件に違反した

として保釈の取り消しはやむを得ないものと思います。

今後,どのようにして出国したかなどが明らかにされると思います。

 

弁護士としては,今後,刑事事件において,保釈の条件が厳しくなったり,保釈が

認められにくくなったりするのではないかという点が心配です。

検察側は,当然,今後保釈をできるだけ認めるべきではないという主張をすると思

いますし,裁判所も当面保釈についてこれまでよりもより慎重に,かつ消極的に検

討すると思われます。

そうすると,これまでは保釈が認められていたものについて保釈が認められにくく

なるでしょうし,保釈が認められるとしてもその条件が厳しくなると思われます。

 

慎重に判断すること自体は必要なことだと思いますが,過度に抑制的な判断がされ

なければよいと思います。

今後の,裁判所の保釈に関する動向を注視しなければなりません。

相続税対策

財産額が一定額以上になると,相続の際,相続税を納付しなければならなくなります。

相続税については,各種控除や特例等があるため,財産がある程度あったとしても,

相続税を納付する必要がないこともあります。

 

相続税を納付する必要がなくても,相続税の申告をしなければならないケースもあり

ます。

意外と多くの方が,相続税の納付義務がないため,相続税の申告をする必要がないと

考えているようですが,実は,相続税申告が必要であったというケースもあります。

特に,東京都内など不動産価格が非常に高いところでは,自宅不動産と少々の預貯金

だけしか遺産がなくても相続税申告は必要,というケースがあります。

 

安易に相続税申告が不要であると考えず,専門家に相談するべきでしょう。

 

相続の問題に関わっていると,弁護士などの専門家が関与しているケースでも,相続税

についての意識があまりされていないようなものが見受けられます。

確かに弁護士は,税の専門家ではなく,税については意識をしないような方もいるかと

思います。

ただ,それでは相続案件について,十分な対応ができないこともあると思います。

相続案件は税と切り離すことができないといえますので,相続税についてもアドバイス

を受けながら進められるようにするのがよいと思います。

自動ブレーキ

弁護士の仕事の一つに交通事故紛争があります。

 

交通事故を予防するための方策の一つとして,自動車の自動ブレーキの普及が進んでいます。

日本を含む多くの国が,自動ブレーキの搭載を義務付けることに合意していましたが,国内

で販売される新車について,自動ブレーキ登載を義務付ける方針で政府が調整に入ったよう

です。

 

具体的な規制の開始時期はまだ未定ですが,いずれは自動ブレーキを搭載していない新車は

販売できなくなりそうです。

 

交通事故の発生件数は平成16年で約95万件であったのが,毎年減少し続け,平成30年

は約43万件まで減少しています。

負傷者数も,平成16年で約118万人であったのが,平成30年は約52万人まで減少し

ています。

 

かなり減少してきてはいますが,まだまだたくさんの方が交通事故に遭い,負傷されています。

 

いずれは新車だけでなく,中古車にも自動ブレーキ登載が義務付けられるかもしれません。

そうなれば,交通事故発生件数,負傷者数もより減少すると思います。

これまでに発生した事故の中には,自動ブレーキを搭載していれば防げた,あるいは少なく

とも重傷者は出なかったと思われる事故も多数あるはずです。

今後,交通事故発生件数,負傷者数が減少することで,交通事故で苦しむ方が少しでも減る

と良いと思います。

 

 

交通事故損害賠償実務研修

今日は,弁護士向け交通事故損害賠償実務研修に参加しました。

 

今日のテーマは高齢者や未成年者の交通事故,高次脳機能障害の基礎でした。

13時から始まり17時ころまで行われました。

 

高齢者,未成年者の交通事故では,特有の問題がいろいろ生じますので,それを

踏まえた対応が必要となります。

厳密に言えば,交通事故に限らず高齢者,未成年者の損害賠償全般に関わる

ものも多くありますので,交通事故以外でも注意をしなければならない点が多々

あります。

 

交通事故の賠償に関しては,民法上の請求と自賠法上の請求があります。

両者は微妙に異なっているため,自賠法上の請求であれば認められるが民法

上の請求では認められないというものもありますし,逆に民法上の請求であれば

認められるが自賠法上の請求では認められないというものもあります。

この辺りを意識しておかないと,請求の仕方の問題で請求が認められないという

事態も生じかねません。

 

また,新しい裁判例なども出ていますので,日々,情報をアップデートしていな

ければ適切な対応ができない可能性もあります。

 

高齢者,未成年者の事故に関する判決として最近出されたものにJR東海事件

とサッカーボール事件があります。

JR東海事件は監督義務者が誰かという点に関する判例であり,サッカーボール

事件は監督義務者の免責事由に関する判例です。

これらの判例を意識して対応することで責任が認められたり認められなかったり

する可能性があります。

 

さらにいえば,情報を収集するだけでは足りず,これらを実際の案件でどのように

活用するかも考えなければなりません。

 

研修に参加することで,活用方法のヒントを得られることもありますし,それにまつ

わる周辺情報も得られる可能性があります。

 

研修に参加するためにはまとまった時間を割かなければなりませんが,いろいろ

得られるものがあり,有益だと思います。

遺言

今日は,相続に関する研修に参加しました。

 

今日の研修のテーマの一つとして遺言がありました。

 

遺言は,被相続人の想いを相続に反映させることができる重要な手段だと思います。

遺言を適切に残すことで,遺族間の相続をめぐる争いを防止できる可能性が高まる

と思います。

ただ,遺言の残し方を誤ると,かえって遺産を巡る争いを誘発させ,又は激化させる

ようにも感じます。

たとえば,自筆証書遺言の様式を守らない無効な遺言が残された場合,故人の意思

を尊重するべきとする遺族と法定相続分を前提に遺産分割協議をするべきとする遺族

との対立が生じるようなケースが挙げられます。

 

遺言の作成に関するアドバイスなどは,様々なところで行われていますが,その方法

も様々ですので,どこでアドバイスを受けるか,どのようなアドバイスを受けるかという

点には注意が必要です。

たとえば,基本的には代書しかせず,内容に関するアドバイスは無効とならないか

どうかという観点からしかアドバイスをしないこともあり得ます。

それでも十分な場合もありますが,自らの想いを法的に適切な内容にすることは案外

難しく,適切なアドバイスを受けなければ思っていたものと違ったものができあがって

しまうという危険性もあります。

 

また,弁護士などの専門家のアドバイスを受けずに遺言を作成される方もいらっしゃ

いますが,要件を充足しない無効な遺言が作成される可能性もあります。

一部にエンディングノートと遺言の違いを認識してもいない方もいるようです。

 

遺言については,自筆証書による遺言の要件が緩和されるなどしており,遺言を

意識される方も多くなっているとききます。

適切な遺言が作成されることで,遺族間の相続をめぐる争いが少しでも少なくなれば

いいと思います。

 

弁護士法人心 東京駅法律事務所の相続専用ホームページのリンク

弁護士法人心のホームページ写真の更新

弁護士法人心の各事務所ごとのホームページの集合写真が更新されました!

 

弁護士法人心では,一般の方に弁護士を身近に感じていただく,一般の方に様々な

情報をお伝えするなどの目的から,多数のホームページを作成し,公開しています。

各事務所ごとのホームページもございますし,分野ごとのホームページもございます。

 

弁護士へのご相談をお考えの方や,法律問題でお悩みの方は,ぜひ一度,弁護士法人

心のホームページをご覧いただければと思います。

 

弁護士法人心のホームページでは,ご相談者の方,ご依頼者の方に安心してご相談,

ご依頼いただく等のために,所属弁護士や所属職員等の写真を掲載しております。

その一つとして,集合写真を掲載しておりますが,この度,集合写真を更新いたし

ました。

ご覧いただきました方が,弁護士,弁護士法人心をより身近に感じていただき,

ご相談,ご依頼される方がより安心してご相談,ご依頼いただけますと幸いです。

 

ご興味,ご関心をいただけました方は,ぜひ,弁護士法人心の各事務所ごとの

ホームページや各分野ごとのホームページをご覧いただければと思います。

以下に弁護士法人心 東京駅法律事務所のホームページのリンクを掲載しており

ますので,こちらをクリックしていただければと思います。

 

弁護士法人心 東京駅法律事務所のホームページのリンク

口外禁止条項

近年は,一般の方が,気軽にインターネット上で情報発信できるようになりました。

これにより,一般の方が発信した情報を多くの方が目にする機会も増えたように感じ

ます。

 

その影響もあってか,近年,紛争解決に際して口外禁止条項を入れることも増えている

ように感じます。

 

口外禁止条項の規定の具体的な記載の仕方はさまざまあり,これでなければならないと

いうものはありません。

例えば,

甲及び乙は,今後,本件並びに本示談の内容等を第三者に口外又は開示しないこととする。

というような記載も可能です。

あえて注意的な規定とするために,具体的な手段を入れることもあります。

例えば,

ブログ,Facebook,Twitter,その他一切のソーシャルメディア等を含むなどという規定を

入れることもあります。

あくまでも注意規定であり,基本的には,一切の口外を禁止するものです。

どのような記載の仕方をしても,最終的な法律効果は通常変わらないようにされていると

思います。

記載の仕方を変えるのは,わかりやすくする,抑止効果を事実上強めるといった理由で

あることが多いのではないかと思います。

 

ただ,記載の仕方によっては,一切の口外を禁止する効果が出るとは限りませんので,

口外禁止条項の利用を考えられている方は,弁護士等の確認を得たほうがよいと思い

ます。

路線価発表

令和元年の路線価が発表されたようです。

 

全国の平均値は,4年連続で上昇しているようです。

東京は6年連続で上昇したようです。

東京は上昇が続くだけでなく,上昇率も高く,4.9%上昇したようです。

 

路線価は,相続税や贈与税の税額計算の際にも用いられます。

路線価が上昇すると,相続税,贈与税の額も上昇するといえます。

まだしばらくはこの傾向は続きそうだと見込まれているようですので,

今後も,相続税の負担は増え続けるものと思われます。

 

相続税の負担が増えるということは,納税のための資金の準備の

必要性も増えるといってよいと思います。

これまでも,遺産の大半が不動産などの現物で構成され,現預金

が少ないケースで納税資金の捻出に苦慮するケースもありましたが,

今後はそういったケースがより増えるのかもしれません。

 

そのような事態を回避するため,生前における相続対策として,納税

資金対策をしておくこともあります。

納税資金対策としては,現預金を十分に準備しておく他に,生命

保険を活用して納税資金を準備するなどの方法があります。

これまでもそのような対応をとることが少なくありませんでしたが,

今後さらにそのような対応をとることが増えるかもしれません。

 

一定以上の資産をお持ちの方にとって,納税資金の確保など

の相続対策は必須といえます。

相続対策においては,法律,税金,保険など,様々な観点

からの検討が必要ですので,複数の専門家の意見を基に

検討したほうがよい場合があります。

相続対策を検討される場合には,弁護士,税理士,保険の

募集人などの専門家の意見をきかれるのがよいと思います。

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特有財産と不動産

離婚に伴う財産分与において,特有財産の精算が必要となる場合があります。

結婚前の財産がそのままの形で残っている場合にはさほど問題とはなりません

が,不動産の購入資金の一部に宛てた場合など,形を変えてしまっている場合

には,その価値をいくらとするのかが問題となることがあります。

 

例えば,自宅不動産を購入する際に,いずれかの特有財産を購入資金の一部に

宛てていることがあります。

この場合,離婚に伴う財産分与をする際に,特有財産の額が問題となります。

 

住宅購入資金として特有財産から1000万円を拠出している場合に,特有

財産を1000万円と考えるべきではないか,と思っている方もいるかもし

れません。

本来であれば,特有財産から支出せずに,住宅ローンを利用するなどして

特有財産をそのまま残すことも可能であったのだから,特有財産を1000

万円として精算するべきというのも一理あるように感じます。

他方で,住宅の価値は通常期間に応じて減少しており,特有財産の支出額を

全額控除して財産分与を行うのも公平でないように感じます。

 

法律上は,このような場合の財産分与の方法について明確に定めてはいない

ため,最終的には裁判所が妥当と考える財産分与の額,方法が定められます。

個別ケースにもよりますが,おおむね,住宅の購入額に占める特有財産の額

の割合分は特有財産とし,残りの割合分を半分ずつ分けるということが多い

ようです。

 

実際には,特有財産であるかどうかが争いになることも多く,特有財産で

あることの証明ができないために,特有財産であるとの主張が受け入れられ

ないケースも少なくありません。

特有財産の主張を希望する場合には,弁護士に依頼して特有財産であること

の証明ができるようにすることも重要です。